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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

線上閱讀大阪 圭吉《とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 頁

青空文庫

、其処にタンクの横ッ腹から突出している径一糎長さ〇・六米程の鉄棒を指差しながら、下を振向いて助役へ言った。

「これは何ですか?」

「あ、それは、いま貴下の前に、タンクの開弁装置へ続く長い鎖が下っているでしょう。その鎖の支棒として以前用いられたものです」

「成程。ところで、序にひとつ、その撥形鶴嘴を取ってくれませんか」

で、助役は、顫えながら、その通りにした。

喬介は撥形鶴嘴を受取ると、その柄先の穴を、例の鉄棒の尖に充行ってグッと押えた。するとスッポリ填って、撥形鶴嘴は鉄棒へぶら下った。と喬介は、今度は少しずつ梯子を登りながら、撥形鶴嘴の柄を持って先の穴を中心に廻転させ、やがてそれが刃を上にして殆ど垂直に近く立つ処までやると、恰度其処に出ているもう一本別の錆た鉄の支棒の尖に、その柄元を一寸引掛けた。そして最後に、開弁装置へ続く鎖の恰度第二の鉄棒に当る位置に縛りつけてある太い、短い、妙に曲った針金を、同じ鉄棒の中頃へ引っ掛けた。

それらの装置が終ると、喬介は梯子を降りて来て、今度は、規定の位置に停車している機関車の操縦室へ乗り込み、そこから投炭用のスコップを持ち出すと、地面へは降りずに汽罐側のサイド・タンクに沿って、框の上を給水タンクの梯子と向合う処まで歩くと、ウンと力んで片足を給水タンクの足場へ掛け、機関車と給水