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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

線上閱讀大阪 圭吉《とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 頁

青空文庫

「ええ、あれはいつでも掛っております」

「有難うございました」

東屋氏は紙巻に火を点けて、ソファの肘掛けに寄り掛った。

恰度この時電話室の方でベルが聞え、やがて女中がやって来た。

「どなたか、鳥羽へお電話をお掛けになりましたか?」

「ああ僕です。有難う」

東屋氏は立ちあがって、そそくさとホールを出て行った。

私達はさっぱりわけがわからないので、ホールの中でキョトンと腰掛けたまま、ろくに話しも出来ずに東屋氏の帰りを待っていた。

が、十分程すると東屋氏は、折から後続の警官達が着いたと見えて、私とは顔馴染の警察署長を連れてやって来た。そして満面に、軽い和やかな微笑を湛えながら、

「さあ。これでどうやら、この事件も解決が出来ました。これからひとつ説明を致します。どうぞ別館の船室へお出で下さい。あちらの方に色々材料が揃っておりますから――」

そこで私達はホールを出た。深谷夫人は頭が痛むと云うので主館に居止り、東屋氏と私と黒塚、洋吉の両氏、そして署長を加えた五人は、強い疾風の吹き荒ぶ中庭を横切って、別館の船室――キャプテン深谷の秘密室へ走り込んだ。

六

とうとう、嵐がやって来た。