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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

線上閱讀大阪 圭吉《とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 頁

青空文庫

多分、鳥羽の三喜山海産部で好いと思うが、ま、そう云って問い合して見てくれ給え。そして、大急ぎでそいつを呼び出すんだ」

東屋氏はそのままホールの方へ這入って行った。私は廊下の電話室で、命令通り交換局へ問合した。そしてその呼び出しを依頼して電話室を出ると、廊下伝いにホールの方へやって来た。

そこでは深谷夫人と黒塚を相手にして、東屋氏が何か尋ねているところだった。

「――すると御主人は、十年前に日本商船をお退きになると、直ぐにこちらへお移りになったんですね」

「左様でございます」

夫人が答えた。

「で、下男の早川は何年前にお雇いになりましたか?」

「恰度その頃からでございます」

「お宅でお雇いになる以前に、早川は何処にいたかご存じですか?」

「あの男の雇入れに関しては、全部主人の独断でございましたので、私は少しも存じませんが――」

「ああそうですか」と東屋氏は頷きながら、

「ところで、あの船室の前の白い柱の尖端へ、御主人が燈火をお吊るしになったのは、度々のことではないですね?」

「ええ、それはもうほんの、年に一度か二度のことでございます」

「ではもうひとつ、これは、妙なことですが、昨晩お宅では、ニュースの時間に、ラジオを掛けてお置きになりましたか?」