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イエスでん

イエス伝

矢内原 忠雄

線上閱讀矢内原 忠雄《イエス伝(イエスでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,119 字 · 436 頁

青空文庫

第十五章 最後の晩餐

一 準備

第十五章 最後の晩餐

一 準備

いよいよ除酵祭の初めの日、すなわち過越の羔羊を屠るべき日となりました。

弟子たちはイエス様に向かい、「過越の食をなし給うために、会場はどこにいたしましょうか」とお聞きしました。イエスは二人の弟子――ペテロとヨハネ(ルカ二二の八)――を遣わして、「都に往け、さらば水をいれたる瓶を持つ人が汝らに出あうだろう。その人に従い往き、その入る所の家の主人に、『師言う、われ弟子らとともに過越の食をなすべき座敷はいずこなるか』と言え。さらば、主人自身が準備の調った大なる二階座敷を見せるだろう。そこに食事の用意をせよ」と仰せになった(一四の一二―一五)。これはイエス様が千里眼的に言いあてをせられたのではなく、あらかじめその家の主人と打ち合せがしてあり、主人はイエスの旨を受けて、水瓶を持った家人を外に出しておいたのでしょう。今は極度に情勢が逼迫しており、いつ祭司長らの手がまわるかもしれぬ。したがって過越の食事の場所は極秘のうちに選定せられ、準備のために遣わす弟子もイエスの最も信頼せられたペテロ、ヨハネの両人であり、水瓶を持った案内の男も信頼に値する者であったろうし(マルコ伝の記者たるマルコその人であったろう、と想像する注解者もある)、その家の主人もイエスの弟子であり、そして召使を経ずして主人自ら