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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 頁

青空文庫

その群衆の、後方の方で

「大作――大作が――本当かの」

と息を喘ませて、右源太が、人に聞いていた。そして、群衆の中を、走って行った。新らしい橋へ来た時、もう、大作の姿も、役人の姿も無かった。

(大作の畜生っ、何んて、大胆な――こんな所へ現れて――畜生っ、俺は、じっとしておれなくなったぞ、百石どころか、元も子も、棒に振るか、振らんか――畜生)

右源太は、脣を噛みながら、濠に沿うて歩き出した。

(ここは、濠だが――いつか、南部の方へ、ぼんやりと、歩いて行った時は、こんな気持だった。あれから二ヶ月しか経たぬのに、又――俺は、何うすりゃいいんだ。俺の考えておいた弁解が通るか通らぬか――通らなかったら――)

右源太は、蒼い顔をして、俯きながら、まだ、だんだん増してくる群衆の中を、当てもなく歩いて行った。

二十三

曾川甚八は、右源太を睨みながら

「聞いたであろうな」

「はい」

「何んと申訳する? 上を欺いた罪――」

「いえ――」

「黙れ。その方の申し分を信じて、お上へ取次いだる拙者の面目、何んとなると思いおるか? 拙者を盲目にして、お上を欺いて――」

曾川は、拳を顫わして、声を大きくしてきた。