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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 頁

青空文庫

これによって、津軽を処分せずんば、信を天下に失うものと知るがよい」

関良輔は、赤くなって、絶叫した。群衆の中から、幾人もが頷いた。

「無益の殺生は致さん、思うこと申したる上は尋常にお縄を頂戴致そう」

良輔は、こういって、脇差を鞘へ納めて、荷の上へ置いた。

「神妙に致せ」

一人が、棒を突出して、じりじりと寄った。一人が、素早く、後方から、組みついた。と、同時に、役人と津軽の家来とが、飛びついた。髻をつかんだ。脚を蹴った、役人が

「無法なっ」

と、叫んで、津軽の者を、突きのけた。

「馬鹿野郎、津軽の馬鹿っ」

と、町人が、叫んだ。

「卑怯者っ、武士かっ、それでも武士かっ」

と、一人の侍が、走り寄った。良輔は、血を流し、髪を乱して微笑していた。役人は、津軽の人々の手から、良輔を守って、橋を渡りかけた。

群衆は役人に追われつつついて行ったり、出羽の邸をのぞいたりして、だんだん数が増してきた。甘酒の荷と、短銃と、脇差とをもって、役人は、奉行所の方へ走った。

「志士というべしじゃ」

と、老人の侍が呟いた。

「大作は、もっと、痩せて、身丈が高いと聞いておったが――」

と、一人が呟いた。