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ちゅうせいのぶんがくでんとう
中世の文学伝統
風巻 景次郎
線上閱讀風巻 景次郎《中世の文学伝統(ちゅうせいのぶんがくでんとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,977 字 · 230 頁
の歌を十人から召された。初度の方では通親・季経・経家などの久我家六条家組の人と、良経・慈円・俊成・隆信・定家・家隆らの九条家御子左家組が加えられ、二度の方では、範光・家長のような近臣、雅経・信実などの定家系の人や、鴨長明などが召され、それから和歌所が設けられ、『千五百番歌合』が行われ、『新古今集』の撰が行われ、その間にも頻々と仙洞や水無瀬の離宮などで歌合が行われるようになって、歌人たちがはじめて世に在るの思いをしたことは、既に知っておられる通りである。
ところがこれは歌人にとってのよろこびであるが、この御代に栄えたのは敢て歌人だけでない。まず宮中の儀式典礼に心をかけられ、運動遊戯を好まれ、詩会を催され、連歌の会を行われ、ことに各種の遊戯は御堪能であられた。そのことは『後鳥羽院宸記』を拝見すればよく分るのである。その道々の人が同じように世にある思いをしたのである。野に遺賢なしという形であった。順徳天皇は特に同じ御性質であったので、院と非常によく似通っておられる。有職について、院は『世俗浅深秘抄』、順徳院は『禁秘抄』をつくられ、歌については院は『後鳥羽院御口伝』