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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河(アラスカのひょうが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 頁
氷の大洋
まことにふしぎなこともあるものである。
この透明な氷と、白色の氷とは、配列にある規則性があるらしく、また地紋の地表に現れた図形とも関連がある。こういう氷のないところでも、もっと下には、やはり氷塊がある。それはダイヤモンド・ドリルで、コーアを採ってみてわかった。以上のほかに、氷が狭い筋になって、鉱脈のように、凍土の中を、うねうねとつづいている場合もあった。氷の大蛇が凍土の中に埋めこまれたような恰好である。
これらの氷は、凍土が融解と凍結とをくりかえす層、すなわち活動層(アクチヴ・レーヤー)の下のほんとうの永久凍土層の中にある。それでこの氷は、地質年代の昔に永久凍土層の中でできた氷が、こんにちまで残っているものと考うべきである。すなわち氷の化石である。
この化石の年代を調べるために、トリチニウム(三重水素)の分析をするといっていたが、何か結果が出たら、きっとおもしろいことになるであろう。
氷の大洋
氷冠は氷の大洋である。日本の六倍もある面積のところが、真平らな雪と氷の平原になっているのであるから、その中に立ってみると、まったく白い海という感じである。一万フィートの高所があっても、面積が広すぎるので、見渡したところは、真平らで、四方とも水平線の外はなにも見えない。