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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河(アラスカのひょうが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 頁
もっとも芸術と科学との融合というのであるから、話はなるべく深遠でなければならない。それには倫敦のキングスカレッジの地下室生活以来、二十年間正式に喋ったことのない私の英語がちょうど良かった。どんな話でも、よく筋が分ったら、あまり深遠にはならないであろう。
寺田先生の物理学というのは、こうである。現在の物理学は「測定」の上に立つ学問、即ち量の物理学である。それに対して、質の物理学、即ち形の物理学があっても、ちっとも不思議ではないというのである。もっともそういう物理学は、現在の意味では物理学ではない。そういう形の物理学がいくら発達しても、何の役にも立たないのであろう。原子爆弾も決して出来ないし、B29だって出来ない。しかし原子力の解放や飛行機の発達が人類のために「役に立つ」ことかどうかは、軽々には決められない。和辻さんの『風土』で教えられたことは、ローマの唐笠松を自然と感ずる西洋意識から、現代の合理主義に基づく科学が生まれた。襖絵の松を自然と感ずる日本人の意識は、深いところで、西洋の意識とはちがっているという考え方である。児島さんの話というのは、少し我流に解釈して、東洋の芸術特に墨絵のようなものは、見る人の頭の中にある美の映像に、引金作用を与えるものであるということにした。