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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河(アラスカのひょうが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 頁
氷の単結晶
氷の単結晶
アラスカの氷河には、学問的にいって、非常に面白い問題がある。それは氷の大きい単結晶がしばしば見られることである。どの氷河にもあるわけではないが、今いったマラスピーナ氷河や、ジュノウの近くのメンデンホール氷河には、ときどき一抱えもある大きい氷の単結晶が発見されている。
氷は、川や池にできる天然の氷でも、人工のいわゆる造氷でも、皆小さい結晶の集合体である。一つの結晶は、大小さまざまであるが、平均して、小指の先くらいの大きさと思ってよい。そういう結晶が、いろいろ勝手な方向をとって集ったものが、ふつうの氷である。それに反して、氷の塊全体が、一つの結晶からできている場合は、それを単結晶というのである。
ところで、氷の結晶は、水晶と同じく、六方晶系に属している。水晶の縦の方向を、結晶の主軸方向といっているが、氷の場合にも、もちろん各結晶について、主軸の方向はきまっている。ここでちょっと注意しておく必要があるが、この場合、結晶といっても、外観まで水晶の六方石のように、六角になっているのではない。原子の配列が六方晶系に属しているというだけで、本当は結晶質といった方がよい。