輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 頁

青空文庫

また会おうぜ」

皮肉に口尻を曲げて言いはなった左膳、足早に歩きだした。

櫛巻お藤には、相変わらずそっけない左膳でした。

「マア、お前さんのように、情の剛い人があるかしら――わたしゃこうしていやな芝居をつとめる気で、こんな窮屈な思いをしながら、一日半時だってお前さんのことを忘れたことはないのに、ヒョッコリ会ったと思ったら、もうすぐ、ろくすっぽ話も聞かずに、そうやって行ってしまおうとするなんて!」

と櫛巻の姐御、姐御の本領を発揮して、いきなり、縫い取りの美しいうちかけをぬぎすてるが早いか、パッと地面へ投げすてた。

「よし! あたしも櫛巻と言われた女だ。こうなりゃあ意地ずく! どこまでだってついていってやるから!」

と、長い裾をグイとはしょると、夜目にも白い脛がくっきりと。

見ると、左膳はもう四、五間さきを、何事もなかったように歩いてゆく。

「オット! いけない、子供たちを忘れちゃあ……」

つぶやいたお藤姐御は、駕籠へ引っかえし、中へ手を入れてごそごそやっていたが、取りだしたのは角ばった風呂敷包み。折り畳の三味線と、塗り箱に入った尺取虫と――商売もの。

これだけは一刻も、そばを離さず、こうして外出にも、駕籠へ入れて持ち歩いているものとみえる。