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ぶっきょうじんせいとくほん

仏教人生読本

岡本 かの子

線上閱讀岡本 かの子《仏教人生読本(ぶっきょうじんせいとくほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,886 字 · 246 頁

青空文庫

第二課 誰でも持つたから

それにしても、私たち人間には悲観の際、悲観の原因や感情の由来をたださずに、ただ理由もなく悲観の感慨に耽る傾向のあるのは気を付けねばなりません。

また人生の秘機を探るのは、必ずしもそうした稀な場合のみでなく、日常生活の平凡事中にいくらもそういう機会が待っていることは心得置くべきことだと思います。仏教では、平常の時のこの心構えを「静中の工夫」と言い、非常の場合を「動中の工夫」と言います。平常無事の際も、非常危急の場合も、落付いて物事の筋目を見究め、同時に自分の心の動きを観察して行かなければいけません。これをまず仏教の第一の心得としてあります。そして人間の心には、人世のあらゆることを凌ぎかつ無限に向上せしめて行く力があることを信じます。これが仏教の第一歩で、心を信ずるゆえにこれを信心と言います。

第二課 誰でも持つたから

頭は考えて分別し、

胸は感情を披瀝する。

腹は蔵めて貯え、

手足は動いて実地に当ってみる。

頭でいけなければ胸で、

胸でいけなければ腹で、

腹でいけなければ手足で、

そして全体として、完全な協同作業が取れています。

私たちの唯一の財産、最初にして最後の財産=身体には、これだけの機能が備わっています。