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かめんのきょうふおう

仮面の恐怖王/電人M

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《仮面の恐怖王/電人M(かめんのきょうふおう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,590 字 · 308 頁

青空文庫

電人Mは木村君を、横抱きにして、トコトコ歩いていきます。

すぐそばに、神社の森がありました。電人Mは、その森の中にはいっていって、大きな木の根もとへ木村君をおろしました。

「ひどい目には、あわさない。安心しなさい。」

ロボットの口のへんの、ピアノのキーのような、たくさんの機械が、カチカチと動いて、そんな声が出てきました。人間の声ではなくて、機械の声です。

「おまえは、遠藤博士の発明の秘密を知っているだろう。」

電人Mが、また言いました。

「知らない。博士は、助手のぼくにも、その秘密を、打ち明けられないのだ。」

「ほんとうか。」

「ほんとうだ。ぼくは、助手といっても、雑用をしているだけで、かんじんなことは、みんな先生が、自分でなさるのだ。」

「それなら盗みだせ。博士の発明を書いた化学式を盗みだして、おれにくれたら、五十万円やる。どうだ。」

「だめだ。いろんな化学式を書いたノートは、たくさんあるけれども、発明のいちばん大事なところは、先生の頭の中にあるんだ。たとえ、一度はノートに書いても、だれにも見せないで、焼いてしまわれるのだ。」

「だが、おまえが、一生けんめい探りだそうとすれば、探りだせるだろう。