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かめんのきょうふおう

仮面の恐怖王/電人M

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《仮面の恐怖王/電人M(かめんのきょうふおう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,590 字 · 308 頁

青空文庫

Mの一字

さては怪物がもどってきたのかと、ピストルを持って、身がまえましたが、どうも怪物ではなさそうです。なんだかよわよわしい、たよりない足音です。

あらわれたのは、助手の木村青年でした。ねぼけたような顔をして、目をこすっています。

「おお、木村君、あいつはどうした。あのロボットはどうした。」

「え、ロボットですって。」

「じゃあ、きみは、あいつに出あわなかったんだな。それじゃ、まだ研究室にいるかもしれない。行ってみよう。」

博士はさきにたって、研究室に急ぎ、パッと、ドアを開きましたが、中はからっぽです。

「まさか、きみの部屋じゃあるまいな。」

そういって、木村助手の部屋も調べましたが、そこも、からっぽでした。

ああ、怪物は、またしても、どこにも逃げ道のない、行きどまりの廊下から、きえうせてしまったのです。

Mの一字

いったい、あの大きなからだの電人Mが、どこから、逃げだしたのでしょう。研究室のかべにも床にも天井にも、秘密の通路なんか、まったくないのです。あいつは、忍術使いのように、パッと、煙になって、きえてしまったのでしょうか。

そんなことができるはずはありません。