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かめんのきょうふおう

仮面の恐怖王/電人M

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《仮面の恐怖王/電人M(かめんのきょうふおう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,590 字 · 308 頁

青空文庫

博士はドアにぶっつかって、それをやぶり、研究室にとびこんでいきましたが、中はからっぽでした。窓の鉄格子にも、別条はありません。いままで、言い争っていた電人Mと治郎君は、かき消すように姿が見えなくなってしまったのです。

電人Mは忍術使いみたいなやつです。自分の姿ばかりでなく、他人の姿まで、消すことができるのです。

そのほかにも、いろいろ、ふしぎなことがありました。博士と木村助手の目の前で、姿のないやつが、研究室のかべに、大きなMという字を書いたのです。また、博士の自動車のヘッド・ライトのガラスに、いつのまにか、Mの字が書いてあって、それが塀に大きく写ったこともあります。

また、博士の寝室で、だれもいないのに、電人Mの声だけ聞こえたこともあります。

そして、今夜は、桜井さんのガレージのふしぎです。

「先生、あいつは、ほんとうに魔法使いなのでしょうか。」

小林少年が報告を終わると、明智探偵はニコニコ笑って、たずねました。

「きみはどう思うね。魔法だと思うかい。」

小林君はちょっと考えて、答えました。

「思いません。」

「すると、そういうふしぎは、どうして起こったのだろうね。