輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

いせのまき

伊勢之巻

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《伊勢之巻(いせのまき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 17,617 字 · 35 頁

青空文庫

八

なにしろ早足で廊下を通りなすったには相違ござりませぬ、さきへ立って参りました女が、せいせい呼吸を切って駈けまして、それでどうかすると、背後から、そのお客の身体が、ぴったり附着きそうになりまする。」

番頭は気がさしたか、密と振返って背後を見た、釜の湯は沸っているが、塵一つ見当らず、こういう折には、余りに広く、且つ余りに綺麗であった。

「それがために二三度、足が留まりましたそうにござりまして。」

八

「中にはその立花様とおっしゃるのが、剽軽な方で、一番三由屋をお担ぎなさるのではないかと、申すものもござりまするが、この寒いに、戸外からお入りなさったきり、洒落にかくれんぼを遊ばす陽気ではござりません。殊に靴までお隠しなさりますなぞは、ちと手重過ぎまするで、どうも変でござりまするが、お年紀頃、御容子は、先刻申上げましたので、その方に相違ござりませぬか、お綺麗な、品の可い、面長な。」

「全く、そう。」

「では、その方は、さような御串戯をなさる御人体でござりますか、立花様とおっしゃるのは。」

「いいえ、大人い、沢山口もきかない人、そして病人なの。」

そりゃこそと番頭。

「ええ。