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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《凡人伝(ぼんじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 98,944 字 · 202 頁
占部牧師が先頃北越へ転任してしまったのは甚だ遺憾だった。しかし私は翌朝中学校を訪れて、旧師数名と旧友小松君に会った。唯五年だけれど、校長初め過半数が代っていた。
「九州とは遠いね。この間更迭があったんだから、こゝへ来ようと思えば来られたのに」
と小松君は残念がった。
「しかし旧の先生達と一緒じゃ頭が上らない」
「それは確かにあるが、都合の好いこともあるよ」
「何れ修業を積んだら、引っ張って貰おう」
と私も郷里へ帰れば矢張り郷里が懐しい。両親が追々年を取ることも考えていた。
「心掛けて置くよ。時に君はいつ立つ?」
「明日の朝だ」
「それじゃ今晩、北村君と一緒に話そうじゃないか?」
「宜かろう」
「北村君には僕から知らして置くから、君は六時までに新茶屋へ来てくれ給え」
「何処だい?」
「そら、いつか長谷川君が逃げ出す時、送別会をやったところさ」
「成程」
「長谷川君といえば、到頭やり上げたね」
「この間会ったよ。いつか会った時は号外屋だったけれど、今度は弁護士だ」
「立派な紳士になっていたろう?」
「いや、未だいけない。玄関番同様だと言っていた」
「前途有望さ。此方じゃ北村君が素晴らしい。