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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
線上閱讀南方 熊楠《十二支考(下)〔全2冊〕(じゅうにしこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,906 字 · 495 頁
三四巻八号、拙文「四神と十二獣について」参看)。されば石橋君が聞き及んだクベラ像はインドの物でなくて、多少支那文化が及びいた中央アジア辺の物だろう。中央アジアに多少これを証すべき伝説なきにあらず。十二年前「猫一疋から大富となった話」に書いた通り、『西域記』十二にクサタナ国(今のコーテン)王は毘沙門天の後胤という。昔匈奴この国に寇した時、王、金銀異色の大鼠を祭ると、敵兵の鞍から甲冑から弓絃まで、紐や糸をことごとく鼠群が噛み断ったので、匈奴軍詮術を知らず大敗した、王、鼠の恩を感じこれを祭り多く福利を獲、もし祭らないと災変に遭うと出づ。日本にも『東鑑』に、俣野景久、橘遠茂の軍勢を相具し甲斐源氏を伐たんと富士北麓に宿った夜、その兵の弓絃を鼠に噛み尽くされついに敗軍したとあり。ヘロドトスの『史書』にもエジプト王がこの通り鼠の加勢で敵に勝った話を出す。『宋高僧伝』一には天宝中西蕃、大石、康の三国の兵が西涼府を囲む、玄宗、不空三蔵をして祈らしむると、毘沙門の王子、兵を率いて府を援い、敵営中に金色の鼠ありて弓絃を皆断ったので大勝利となり、それより城楼毎に天王像を置かしめたと記す。