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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁
なる小説は、結局全体として居睡り半分に書いたような支離滅裂なものであったけれど、なにか指摘してある科学的ヒントにおいては傾聴すべきものが多々あったのである。なかんずく著者のコンクルージョンであった。“――軍用鳩あり、軍用犬あり。豈、それ軍用鼠なくして可ならんや!”
これを読んだ楊博士は、団扇のような掌をうち、近眼鏡をぽろりと膝のうえに落として、
「うーむ、これあるかな、東洋ペン鬼の言や」
と、はるかに東天を仰いで、三拝九拝した。これは楊博士が気違いになったのではなくして、いまこそ彼は、軍船撃滅法発見のキッカケをつくる有力なるキャタライザーにめぐりあったことを喜ぶのあまり、つまり驚喜乱舞という狂燥発作に陥ったのであった。
楊博士は、雑誌を胸にいだき、巌頭に立って右手を高く天空にあげながら叫んだことであった。いわく、
「ああ偉大なる東洋鬼。されど吾れはさらに偉大なり。君が卓越したるアイデアに、吾れはさらに爆弾的ヌー・アイデアを加えん。“軍用鳩あり、軍用犬あり、軍用鼠あり。しかして豈それまた軍用鮫なくして、どうしてどうして可ならん哉”と」
唐人の寝言は、このへんで終結した。