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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁
「冗談じゃない。気の合う優しい女なんていないものだな。なあポール。俺はお前が男友達でなくて女友達だったらいいと思うよ」
「ナニ女友達」ポールが口を丸くあけてパチパチ目をまたたいた。「ペン公、本当にそう思うかい」
「本当に思うって聞くのかい。もちろんさ。なぜそんなことを聞くんだい」
ポールは無言でペン公の手を握って引き立てた。そして部屋の隅に立っている衝立の蔭に引張りこんだ。
スルスルと衣服の摺れ合う音がした。衝立の上に、ポールの上衣がパサリとかかった。それからガチャリと皮革が垂れ下った。
そのとき、中からペンの愕く声が聞えた。ポールの制する声を押し切ってペンは大声で叫んだ。
「――ああこのことだな。お前が自分で身体を解剖しているって噂のあったのは。なんだこれは大変な手術じゃないか。俺は急にお前が厭になった!」
4
約束のとおり、ちょうど二十時であった。
アロアア区の戸口に佇む一個の人影があった。長身のすっきりした男性だった。
表札には「ミルキ夫人」と記されてあった。
扉が音もなくスーッと下にさがった。
中には純白の緞子張りの壁が見えた。その中から浮彫りのようにぬけいでた一個の麗人があった。