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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁

青空文庫

拙者の発明を実現した職工を使えば、従来の職工の一人半の仕事が出来る。してみれば、三百人の職工を使っている工場では、二百人に減らしても、同じ分量の製品が出来る」

客は、いよいよ熱情を示した。

「いいえ、工業的価値というものは、そんなことをいうのではありません。つまり、発明の内容が、工業的でなければならないのです。もともと人間は、原則として腕が二本しか無いのに――それはもちろん、腕が三本あれば重宝なことは分っていますが、生れつき二本のものを、いくら三本に殖やしたいといっても、それは神様にでも相談するか、それとも百年後或いは千年後になって、外科手術というものがよほど進歩して、人間の腕の移殖が出来るようになる日を待つしかないと、出来ない相談じゃありませんか」

「ばかな!」

と、客は怒鳴って、獣のような顔をした。

「あんたは、弁理土じゃないか。誰が、あんたに、外科手術のことを相談しました」

「しかし、腕をもう一本殖やすなんて、あまり非常識なお話ですからなあ、いや、あなたの発明に対する熱情はよく分りますが……」

「実に、愚劣きわまる話だ」

と、客はなおも憤慨して、

「外科手術を使うなら、それは医学ではないか。