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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁
早く審査をやっていただいてありがとうございました」
「なんだ、君は本気なのか。いや、それは呆れたものだ。で、今日の用件は、そのことで来たのかね、それとも他の事件で……」
「いえ、あの『多腕人間方式』のことについて、審査官に、もっと認識を深くしていただこうと思いまして、参りました。あれは、義手とは違います。ぜんぜん違うのです」
と、余は、所信を滔々と披瀝した。
「いやだねえ、君は案外本気なんだね。とにかく、その旨、意見書を出したまえ。僕も、もう一度、考え直してみるから」
余は、来た甲斐があったと悦び、審査官の後姿を拝みながら、そこを辞去した。
×月×日 雪やむ。
意見書を提出せり。
4
×月×日 晴、風強し。
神谷審査官より、またまた拒絶理由通知書が来た。
愕いて、これを読み下すと、拒絶スベキモノト認ムという主文は同じで、その理由としては、次のようなことが綴られていた。これは、この前の理由とは違った別個の理由であった。それによると、
『本願ノ要旨ハ、一個ノ人体ニ、三本又ハ三本以上ノ多数ノ腕ヲ添架スルニ在ルモノト認ム。然ルニ、本願ト同様ナル着想ハ、本願出願以前ニ、帝国領土内ニ於テ存在シ、且遍ク知ラレタルトコロニシテ、例エバ奈良唐招提寺金堂ニ保管セラレアル千手観音立像ハ、四十臂ヲ有ス。