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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁

青空文庫

「いや、拙者は病気ではない。寒いときには、こうして寝ながら勉強しているに限ります。なにしろ、石炭も炭もありませんからなあ。しかしあんたがたの来訪を受けたから、マレー語独修第四十一課の途中じゃが、ここでいったんお休みとするか」

そういって、田方氏は首をちょいと曲げた。すると、とつぜん、頭巾が、がしゃがしゃと動きだし、すっーと長く伸びたかと思うと、その先端が、くるっと曲って本の方へのび、そして本のページを折ると、ばたりと本を閉じた。すると田方氏は、頤をひいた。すると今度は、その機械の腕は、本を持ったまま、すーっと横のテーブルのうえへ持っていって、静かに置いた。

(あれぇ、これが、氏の発明の三本目の腕なんだな)

余は、息がとまったように思った。

田方氏は、首を反対の方へ曲げた。すると長く伸びていた機械腕は、ばさっと音をたてて、氏の頭のうえに畳まれてしまい、元のような頭巾になってしまった。

「ほう、素晴らしいご発明ですね」

と、余は心から讃辞を呈した。

「しかし、三本目の腕を、頭に取り付けるんだとは、考えつきませんでした」

「寒いときは、三木目の腕を使うに限るですぞ。