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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁
そして吾輩は、君の覚悟と手腕に期待する」
総監は、しみじみと、そういった。
恐ろしき異変
氷河期は、ついに来るか。
それとも、これは青倉教授の厳たる説のごとく、やはり来なかったであろうか。
その年の冬は過ぎ、やがて春とはなった。
そのころ、異変は、そろそろ現われかけたといっていい。梅の実は、いっこうに大きくならず、桜桃も、またいっこうに実を結ばなかった。
やがて梅雨の季節となったが、雨はすこしも降らなかった。変調は、いよいよ現われはじめたのである。
七月となり八月となった。いつもの年ならば、人々は、襯衣一枚となり、あついあついと汗をふき、氷水をのむのであったが、その年の七月八月は、まるで高山の上に暮しているように寒冷をおぼえた。むしろ春の頃よりも、気温が下ったように感じた。
そのころには、人々は、いくら大空を仰いでみても、あの澄みわたったうつくしい紺碧の空を仰ぐことはできなかった。空は、熱砂の嵐のように、赤黒く濁っていた。そしてその中に、赤いペンキをなすりつけたように、太陽形が、ぼんやりとうかんでいた。
九月十月になって、雨が降り出した。