輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
せんねんのじさ
千年の時差
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《千年の時差(せんねんのじさ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,756 字 · 10 頁
ところが最近、小林秀雄氏の『真贋』を読んでいたら、『偶像崇拝』という文章の中に、この書を、「民族心理のいわば精神分析学的な映像」として、高く評価してあるところにぶつかり、たいへん嬉しかった。と同時にいささか安心もした。小林秀雄のようなやかましい男が、これだけ褒めるのだから、もう何処へ行って推賞しても大丈夫である。
ところでこの『真贋』であるが、これがまた近来稀な好著である。今さら、小林秀雄の評論に感服するのも時節おくれであるが、裏金がますます厚くなり、その思想の深い底に、にぶいながら燦然とした光輝をはなっているところが、きわめて美事である。人間の精神というものに、深く深くくい入って行く一人の人間の姿がますますはっきり出て来ている。人間の精神は、実に不思議なものである。精神というとあまりむつかしすぎるが、そこまで行かなくても、人間の生命もまた実に不思議なものである。進化論でいう生命は、細胞の生命であって、ああいう生命の科学がいくら進歩しても、人間の生命の問題の解決には、何の足しにもならない。人間も猿も祖先は同じであり、ずっととんで猿も植物も同じものから分れた。