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はんせんぶんがくろん
反戦文学論
黒島 伝治
線上閱讀黒島 伝治《反戦文学論(はんせんぶんがくろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,646 字 · 28 頁
戦争は悪い。それは、戦争が人間を殺し、人間に、人間らしい生活をさせないからである。そこでは、人間である個人の生活がなくなってしまう。常に死に対する不安と恐怖におびやかされつゞけなければならない。だから戦争は、悪く、戦争は、いやな、嫌悪さるべきものである。
これは、個人主義的な立場からの一般的戦争反対である。所謂、自我に目ざめたブルジョアジーの世界観から来ている。この傾向をもっとはっきり表現しているのは、与謝野晶子の新体詩である。それは、明治三十七年、十月頃の「明星」に出た。題は、「君死にたまふことなかれ」という。弟が旅順口包囲軍に加わって戦争に出たのを歎いて歌ったものである。同氏のほかの短歌や詩は、恋だとか、何だとかをヒネくって、技巧を弄し、吾々は一体虫が好かんものである。吾々には、ひとつもふれてきない。が、「君死にたまふことなかれ」という詩だけは、七五調の古い新体詩の形に束縛されつゝもさすがに肉親に関係することであるだけ、真情があふれている。
旅順の城はほろぶとも
ほろびずとても何事か
君知るべきやあきびとの
家のおきてになかりけり
君死にたまふことなかれ