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こだいこくごのおんいんについて
古代国語の音韻に就いて 他二篇
橋本 進吉
線上閱讀橋本 進吉《古代国語の音韻に就いて 他二篇(こだいこくごのおんいんについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,329 字 · 188 頁
(十二) サ行音ザ行音は室町末期の標準的発音では、sashisusheso、zajizujezoであって、現今の東京語と大体同じであるが「セ」「ゼ」の音だけが違っている。しかし、これは、近畿から九州まで日本西部の音であって、関東ではその当時も今日の東京語と同じく「セ」「ゼ」をsezeと発音した。サ行ザ行の音は、室町以前における的確な音がまだわからないからして、どんな変遷を経て来たかは、言うことが出来ない。
以上、第二期における国語の音韻の変遷の重なるものについて述べたが、これによれば国語の音韻は、奈良朝において八十七音を区別したが、平安朝においてはその中のかなり多くのものが他と同音に帰して二十三音を失い、六十四音になったが、一方、音便その他の音変化と漢語の国語化とによって、ン音や促音やパ行音や多くの拗音が加わり、また鎌倉室町時代における音変化の結果、多くの長音が出来た。「ち」「つ」「ぢ」「づ」の音は変化したけれども、まだ「ぢ」「づ」と「じ」「ず」とは混同するに至らず、oの長音になったものも、なお開合の別は保たれていたのである。
以上は京都地方を中心とした中央語の変遷の重なものである。