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こくをみる

古句を観る

柴田 宵曲

線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁

青空文庫

ここは雀も小さい代りに、箒木も大きなものではないから、倒れた箒木に雀がとまっているのを、「ふみ立」といったものと解して置く。勿論雀の性質として、そう長くじっとしているはずはない。一度踏えて立ったにしろ、やがてパッと飛立つことは明であるが、それはこの句としては余意と見るのである。

眼前の写生で、しかも相当こまかいところを捉えている。雀も箒草も平凡な材料であるにかかわらず、この観察は必ずしも平凡ではない。

川風や橋に先置蛍籠    陽和

現代の風景とすると、蛍売が荷をおろしたような感じがするけれども、元禄の句だから、そんなこともあるまい。蛍狩に行った者が川端へ出て、夜風の涼しい中に佇みながら、手に持った蛍籠をちょっと橋の上に置いた、というのであろう。

方々蛍を捕って歩いた挙句、橋のところへ来かかったものとすると、この籠の中には蛍の光が点々として明滅していなければならぬ。これから出かける途中ならば、まだ獲物は入っていないわけである。その辺は作者が明示していないのだから、読者の連想に任せて差支ないが、籠は蛍用のものであるにしても、全然入っていなくては寂し過ぎる。