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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

「この町内か、近くの町内に、お針の師匠はねえか、洗ってきな」

「お針……? お針の師匠というと、おちくちくのあのお針ですかい」

「決まってらあ。つり針や意地っぱりに師匠があるかい。どこの町内でも、娘があるからにゃお針の師匠もひとりやふたりあるはずだ。がちゃがちゃしねえで、こっそりきき出してきな」

「…………?」

「なにをぼんやりひねっているんだよ。おひねりだんごじゃあるめえし、まごまごしていりゃ夜がふけるじゃねえか」

「あんまり人を小バカにしなさんな。ひねりたくてひねっているんじゃねえですよ。裏を返して軸物を掛けてみたかと思や、ひとりひとり呼びあげて、ろくでもねえことをきいて、町内にお針の師匠がおったら何がどうしたというんです。ひねってわるけりゃ、もっと人情のあることをいやいいんですよ」

「しようのねえ男だな。これしきのことがわからなくてどうするかい。くれぐれもご内密にと、三庵先生が拝むように頼んでおるじゃねえか。だからこそ、血の一件を知らすまいと思って、わざわざ裏返しに掛けさせたんだ。裏は返しておいても、あの家の者の中にいたずらをしたやつがおったら、軸を見ただけでもぴんと胸を刺されるにちげえねえんだ。