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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
秘密を知られてはならぬと、あの鐘楼の上から恐ろしい矢を射かけたのでござります。そればかりか、ふたりでしめし合わせて、このわたくしをこんなところへ、手ごめ同様に押しこめ、妻になれの、はだを許せのと、けがらわしいことばっかり、今まで責めさいなんでいたのでござります。わたくしには何から何までのご恩人、ただもううれしくて、あなたさまのお顔も見ることができませぬ。お察しくだされませ」
言うまも悲しみ喜び、いちどきにこみあげてきたとみえて、おこよはよろめきながら床の間へ近づくと、子持ちすずりの桐箱を抱きすくめるように取りあげて、おろおろと泣きつづけました。
「ちくしょうめッ。これで伝六様も早腰を抜かさずに済んだというもんだ。これからが忙しいんだ。野郎どもはなわにするんでしょうね」
「決まってらあ。ふたりとも並べてつないで引っ立てな!」
立とうとしたところへ、不意に庭先へ、すうと人影が浮きあがりました。うしろに若侍をふたり従えて、眼のくばり、体のこなし、おのずから貫禄品位の見える老武家です。ずいと静かに、名人右門のほうへ歩みよると、重々しく呼びかけました。
「いろいろとお手数ご苦労でござった。