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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
「よし、わかった。口外するでないぞ。――駕籠屋! 伝通院裏じゃ」
なぞの道は、はしなくも紅糸二本から解けかかってきたのです。
「ありがてえね。ちゃんとこういうふうに骨を拾ってくださるんだからな。お眠くはござんせんかい。お疲れなら肩でももみましょうかい」
「つまらねえきげんをとるな。駕籠に乗って肩がもまれるかい」
「いいえね、もめねえことは万々わかってるんだが、気は心でね。これでもあっしゃ精いっぱいおせじを使っているんですよ。――そらきた。伝通院の裏に二つはねえ。あの三軒のどれかですぜ」
たぶんそのあたりだろうと見当をつけていってみると、案の定、いちばん奥が捜し求めたその隠宅でした。隠宅というとふた間か三間の小さな家にきこえるが、法眼といえば位は最上、禄は百五十石、はぶりをきかした大奥仕えのお鍼医の未亡人がこの世を忍ぶ住まいです。門の構え、広い庭、むしろ邸宅といいたいような広大もない住まいでした。
その広い庭の中を通りがかりに、建仁寺垣のすきからひょいとみると、人影がある。
女です。
切りさげ髪に、紫いろの被布を着て、今をさかりに咲きほこっている菊の中を、しゃなりくなりとさまよっている様子は、まさしく当のご後室でした。