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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

暮れるに早い秋の日はもう落日が迫って、七橋、八橋、七堀、八堀と水の里の深川が近づくにしたがい、大川端はいつのまにかとっぷりと夕やみにとざされました。

さむざむと冷え渡って冷えは強いが、冷えればまた冷えたで相合いこたつのさし向かい、忍びの夢路の寝物語。はだのぬくみを追って急ぐ男と女の影が、影絵のように路地から路地をぬって歩いて、秋深い辰巳の右左、またひとしおのふぜいです。

「ちくしょうッ、ふざけてらあ。ちょろりと今ふたり、天水おけの陰へかくれましたよ。あんなところでちちくるつもりにちげえねえですぜ」

「そんな詮議に来たんじゃねえ。於加田を捜しているんだ。早く見つけなよ」

「いいえ、物事は総じてこまかく運ばねえと、とかくしりがぬけるんだ。ある! ある! あのかどにあるのがそうですよ」

ぐいと大川からこっちへ切りこんでいる小堀のかどの出っ鼻に、なるほど於加田と書いたあんどんが、ゆらめく水に灯影を宿して見えました。

むろん、すぐにも詮議に押し入るだろうと思われたのに、つねに周到綿密、目の光らせどころにそつがないのです。家のまわり、川筋の様子、何か不審はないかと、そこの小陰にたたずみながら目を光らせました。