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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

「伝六か!」

「しかり!」

「景気がいいな。みやげはどうだ。その足音じゃたんまりとありそうだが、どうだ、わかったか」

「…………」

しかし、伝六は駆けあがってきた元気とはうって変わって、しょんぼりとたたずみながら、しきりとまゆをぬらしているのです。

「だめなのかい」

「いいえ、だめとはっきり決まったわけじゃねえんだ。音蔵のほうで五軒、お駒のほうで五軒、締めて十軒探ったんですがね。そのうちで、たぶんふたりだろうといったのが――」

「何軒だ」

「締めて五軒あるんですよ。いいや、ひとりかもしれねえといったのが、やっぱり五軒あるんだ。くたぶれもうけさ。いくら探っても、やっぱり、ひとりかふたりか、雲が深くなるばかりで正体はわからねえんですよ」

「なんでえ。ばかばかしい。それなら、なにも景気よく帰ってくるところはねえじゃねえか。今ごろまゆをぬらしたっておそいや」

「おこったってしようがねえですよ。あっしのせいじゃねえんだからね。ふたりかひとりかわからねえようなやつが、このせちがらい世の中をのそのそしているのがわりいんです。ほかに手はねえんだ。どうあっても正体を突きとめるなら、野郎たち両方へ呼び出しをかけるより法はねえんですよ。