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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
ひとりだったら一匹来るし、ふたりだったら二匹来るし、そのときの用意にと思って、まゆをぬらしているんだ。――はてな、待ったり! 待ったり! なにか急に騒がしくなりましたぜ」
ぴたりと声を止めて、伝六が立ちあがりました。――聞こえるのです。ばたばたと、あちらこちらへ駆け走っている騒々しい足音の中から、押しつぶしたような声があがりました。
「人殺しだ!」
「火の見の下ですよ! 音蔵さんと同じところに、同じかっこうをして、また人が切られているんだ。人殺しですよ! 気味のわりい人殺しが、また火の見の下にあるんですよ!」
むくりと名人が起きあがったかとみるまに、いつにもなくいろめきたって、ひた、ひた、と宵の表へ駆けだしました。音蔵と同じところで人が切られたと呼んでいるのです。しかも、同じかっこうをして切られていると叫んでいるのです。なるほど、北松山町の通りを、火の見やぐら目ざしながら走りつけてみると、もうあたりは、いっぱいの黒だかりでした。
必死とその群衆を追い散らしている自身番の御用ちょうちんに、ちらりと目まぜを送りながら、面を隠すようにして、火の見の下へ近づきました。