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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
よしやどろが深かったにしても、頭をさかさまにしてはまっておったというのが不思議。ましてや、二本差す身でござります、入水などと恥多い死に方をするはずござりませぬ。何か容易ならぬ秘密がありましょうゆえ、さしでがましゅうござりまするが、ともかく死体を一見させていただきましょう」
近寄って見しらべていたその目が、死人の口もとへそそがれるや同時です。きらり、名人の目が鋭い光を放ちました。
変なものがある! 口中にいっぱい黒いものが詰まっているのです。どろか? ――小柄の切っ先で食いしばっていた歯を、ぐいとこじあけてみると、血だ! どろかと思われるような、どす黒い血のどろどろと固まったのが、口中いっぱいに含まれているのです。
「案の定――」
「毒死か!」
「さようでござります。一服盛ってから、石の重りをつけて沈ましたものに相違ござりますまい。事がそれと決まりますれば――」
詮議の筋道もおのずからその手順がたつというものである。
第一は、まず殺された若侍が何者であるか、その身もと詮議でした。
第二は、扇子と懐紙入れの持ち主が何者であるか、その穿鑿でした。あるべきはずのないところに、あるべきはずのない品が浮いていたとすれば、そのふた品の持ち主たる女が、少なくもこの毒殺に重大な糸を引いていることは確かです。