輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
来てはならぬ。行け、行け。のぞくでない!」
ことばもしどろもどろに、うろたえているのです。ひとり残らず家人の者も遠ざけて、きょときょとと八方へ目を配りながら、案内する間もおびえおびえ導いていったところは、二階の奥まった豪壮きわまりないへやでした。
高い天井、みごとな柱、凝ったふすま、なにからなにまでが入念な品を選んだ座敷です。そのへやの床ぎわへこわごわすわると、恐ろしいものをでもしらせるように、三庵が青ざめた顔をふり向けながら、黙って床の間をゆびさしました。
血だ! 大きな床いっぱいのようにかかっている狩野ものらしい大幅の上から下へ、ぽたぽたと幾滴も血がしたたりかかっているのです。
「なるほど、わざわざお呼びはこれでござりまするな。いったい、これはどうしたのでござる」
「どうもこうもござりませぬ。岡三庵、今年五十七でござりまするが、生まれてこのかた、こんな気味わるい不思議に出会うたことがござりませぬゆえ、とうとう思いあまって、ご内密におしらべ願おうと、お越し願ったのでござります。よくまあ、これをご覧くださりませ。天井からも、壁からも、ただのひとしずくたれたあとはござりませぬ。