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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

もうすっぱりと吐いたらどんなものだよ」

「…………」

面を伏せてすすり泣きつつ、やがてしゃくりあげつつ、ややしばし泣き入っていたが、ついに岩路の強情が理づめの吟味に折れました。

「申、申しわけござりませぬ……いかにもわたくし、下手人でござります。なれども、これには悲しい子細あってのこと、父行徳助宗は、ご存じのように末席ながら上さま御用鍛冶を勤めまするもの、事の起こりは富士見ご宝蔵お二ノ倉のお宝物、八束穂と申しまするお槍にどうしたことやら曇りが吹きまして、数ならぬ父に焼き直せとのご下命のありましたがもと、そのお使者に立たれましたのが中山数馬さまでござりました。さそくに沐浴斎戒いたしまして、焼き直したところ、未熟者ではござりましたが、父も槍師、さすがはお名代のお宝物だけありまして、穂先、六尺柄の飾り巻きともどもいかにもおみごとな業物ぶりに、なんと申しましょうか、魅入られたといいまするか、心奪われたと申しまするか、ゆゆしきご宝物と知りつつ、父が手ばなしかねたのでござります。なれども、いかように執心したとて、ものがもの、日限参らばお倉へ納めねばならぬお品でござりますゆえ、とつおいつ思案したうえに、とうとう父が恐ろしい悪心起こしました。