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めいきょくけっていばん
名曲決定盤
野村 あらえびす
線上閱讀野村 あらえびす《名曲決定盤(めいきょくけっていばん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 344,837 字 · 680 頁
ブッシュの演奏は、ドイツ風の手堅い技術がその根柢をなしているので、徹頭徹尾、いささかの不安もない。音は清透で、四つの楽器のバランスはこの上もなく見事だ。カペエのフランス風の優雅な線に比べて、ブッシュはがっちりした風貌と、その確かさを少しも頑なに思わせない輝きとを持っている。
ブッシュ四重奏団のレコードはかなり多い。その中から最も傑出したのを選べば、先に挙げた十一番目の四重奏曲と、同じベートーヴェンの『四重奏曲=嬰ハ短調(作品一三一)』(ビクターJD九二五―九、名曲集六四〇)、並びに『四重奏曲=ヘ長調(作品一三五)』(JD四七六―九、名曲集五五九)の三曲であろう。第十四番目の四重奏曲(作品一三一)は、カペエの繊細さはないが、それよりは強さと幅とを持っている。第九シンフォニーの持つ威力にも匹敵する。苦渋と歓喜とが、圧倒的に人に迫るものがあるのだ。最後の四重奏曲(作品一三五)も、演奏のむずかしさにおいては、比類の少いものだ。この曲では、フロンザリーも、二度入れたレナーも失敗している。形骸を伝えることは出来るが、それは生命のないものに過ぎない。ブッシュの演奏はそこへ行くと実に完璧であった。