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そうせきしとわたし

回想 子規・漱石

高浜 虚子

線上閱讀高浜 虚子《回想 子規・漱石(そうせきしとわたし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,187 字 · 231 頁

青空文庫

四

」とそれから一々その書物を開きながら、この句がいい、この句が力があるというような事を説明した。

今『英語青年』を主幹している喜安君はこの事を覚えているや否や。

四

余が文学上の書籍に親しんだのは中学卒業の一年前位からの事で、前言った通り『国民の友』、『早稲田文学』、『しがらみ草紙』、『城南評論』、それに近松物、西鶴物、露伴物、紅葉物、高田早苗氏の『美辞学』、中江篤介訳の『維氏美学』、それらを乱読して東都の空にあこがれていた。そうしてある時子規居士に手紙を送って、小説を書くためには学校生活を遣るよりも中学を卒えた上直ちに上京して鴎外氏なり露伴氏なりの門下生になりたいと思うが周旋をしてくれぬか、と言って遣った。それに対する居士の返答は極めて冷静な文句で、学校の課程を踏まずに直ちに小説家になる御決心の由、御勇気のほどは感服する、けれども貴兄は家族の係累等はどうなのか、学校を卒業しておけばまず食うに困るような事はないが、今から素手で世の中に飛出す以上は饑渇と戦う覚悟がなけりゃならぬ、なお鴎外、露伴らに紹介せよとの事だが、自分はまだ逢った事もない、たとい自分が紹介の労を取るにしたところで、門下生になってどれほど得る処があるかそれは疑問だと思う、とこういう意味の返辞であった。