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そうせきしとわたし

回想 子規・漱石

高浜 虚子

線上閱讀高浜 虚子《回想 子規・漱石(そうせきしとわたし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,187 字 · 231 頁

青空文庫

」との事だ。鹿児島と聞いて余は失望した。

もっとも東京から手紙で碧梧桐君に交渉した時にも鹿児島なら欠員があるから許してもいいというような話であったとの事であったので、どうか他の学校の方に運動して見てくれぬか、一高が出来れば申分ないが、それがむずかしければ二高でも四高でもいいなどと言って遣って碧梧桐君を労しておいたのだが、やはり鹿児島でなけりゃ駄目なのかと余はギャフンと参った。今考えれば鹿児島などかえって面白かったかとも思うのだが、その頃は造士館というとまだ大分蛮風の残っている話が盛んで、生温い四国弁などでぐずぐずいうと頭から鉄拳でも食わされそうな心持もするし、それにまだその頃は九州鉄道も貫通していなかった頃で交通も不便だし、京都から移って行く文科の男は他に一人もなさそうだし、頗るしょげざるを得なかった。

しかしこれは服部先生の思惑違いであって、余はやはり碧梧桐君などと共に二高――仙台――に行く事に極った。

大学予科の解散という事は生徒に取っては一方ならぬ動揺で何百人という人が一時に各地に散る事になったので痛飲悲歌の会合が到る処に催おされた。しかし今の余に取っては前の同級生は最早上級生で、今度の同級生たるべき人には二、三氏の外は親しみがないのでそのどの会合にも加わらなかった。