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そうせきしとわたし

回想 子規・漱石

高浜 虚子

線上閱讀高浜 虚子《回想 子規・漱石(そうせきしとわたし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,187 字 · 231 頁

青空文庫

「そうですか。それでは楽にしてあげますよ。」と宮本氏は子供にでも言って聞かすような調子で言って何か粉薬を服用させた。それもガラス管で水を吸い上げるようにして飲んだのであった。

それから居士は眠ったようであった。枕頭にいる我らも黙りこくっていた。沈鬱な空気が部屋に漂っていた。それから暫くして居士はまた目を覚まして、口が渇くのであろう、

「水……」と言った。妹君は先刻服薬した時のようにやはりガラスの管で飲ませた。居士はそれを飲んでから、

「今誰が来ておいでるのぞい。」と聞いた。妹君は枕頭に固まっていた我らの名を読み上げた。

それから暫くの間の事は記憶していない、たしか余は他の人と交代して一応自分の家に引取ったものかと思う。

その十八日の夜は皆帰ってしまって、余一人座敷に床を展べて寝ることになった。どうも寝る気がしないので庭に降りて見た。それは十二時頃であったろう。糸瓜の棚の上あたりに明るい月が掛っていた。余は黙ってその月を仰いだまま不思議な心持に鎖されて暫く突立っていた。

やがてまた座敷に戻って病床の居士を覗いて見るとよく眠っていた。

「さあ清さんお休み下さい。