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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
線上閱讀高浜 虚子《回想 子規・漱石(そうせきしとわたし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,187 字 · 231 頁
私は広島から東に向い、漱石氏はそこから西に向って熊本に行くのであったが、広島まで一緒に行こうというので同時に松山を出で高浜から乗船したのであった。――確かその頃もう高浜の港は出来て居ったように思うのであるが、あるいは三津ヶ浜から乗ったのであったかもしれぬ。三津ヶ浜というのは松山藩時代の唯一の乗船場で、私たちが初めて笈を負うて京都に遊学した頃はまだこの三津ヶ浜から乗船したものであった。そこは港が浅くってその上西風が吹く時分は波が高いのでその後高浜という漁村に新しく港を築いて、桟橋に直ぐ船を横づけにすることが出来るようにしたのである。確か明治二十九年頃には、もうその港が出来ておったように思う。高浜といったところでその地名と私の姓とは何の関係もある訳ではない。――さてその広島に渡る時に漱石氏はまだ宮島を見たことがないから、そこに立寄って見たいと思う、私にも一緒に行って見ぬか、とのことであったので私も同行して宮島に一泊することになったのであった。その時船中で二人がベッドに寐る時の光景をはっきりと記憶している。宮島までは四、五時間の航路であると思うが、二人はその間を一等の切符を買って乗ったものである。