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とさのくにばしら
土佐の国柱
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《土佐の国柱(とさのくにばしら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 17,375 字 · 35 頁
二
そう云って家臣の自重を命じた。
かくて五年、一豊は熱心に善政を布き、諸民の安堵を計って来たが、傲岸不屈の土佐人はいっかな心解けず、領内を一歩奥へ入ると、諸所に土着の豪族がいて、昂然と山内家に対抗の勢力を張っていた。
二
「……わしの申すことが分るか」
「……はあっ」
「土佐一国、山内家に帰服する日こそ、初めて一豊が成仏をする時だ、それまでは万巻の看経供養も無益だぞ」
そう云ってから、一豊はやや久しく気息を調えていたが、やがて調子を改めて、
「斧兵衛、其方は儂にとって半身同様の者じゃ。……追腹は無義無道のものゆえ、家中には厳しく禁ずるが、其方だけは格別だ。……冥途の供をして呉れ」
「お許し下さいまするか」
「許さぬと申しても、わしが死んで生残る其方ではあるまい。追腹許す。……なれど、直ぐにはならんぞ、三年待とう」
意外な言葉であった。
「三年とは、……如何なる御意にて」
「土産を頼みたい」
「…………」
「三年のあいだに土産を作って参れ、それまでは冥途で待つ。一豊は成仏せずに、其方の追いつくのを待って居る。……分るか」
謎のように云う一豊の眼をひたと見上げた斧兵衛は、やがて、にっと微笑しながら、