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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《塔上の奇術師/鉄人Q(とうじょうのきじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 151,766 字 · 303 頁

青空文庫

明智先生の指示にしたがって、これから、大冒険をやろうというのです。

「いいかい、しっかりやるんだよ。二十面相が原っぱでつかまってしまえばいいけれど、もし逃げられたら、こんどは、ぼくたちふたりの責任になるからね。」

そういったのは、小林少年でした。

「うん、だいじょうぶだ。このあいだから、ずいぶん練習したからね。それに、こっちの方が馬力が強いんだから、負けやしないよ。」

そう答えたのは、井上一郎少年でした。井上君は、もと選手だったおとうさんに教えられてボクシングができる、強い少年でした。

しかし、“馬力”とは、いったいなんのことでしょう? 力が強いという意味でしょうか。いくら井上君でも、おとなの二十面相よりも強いはずはないのに……。

そのうちに、ふたりは、みょうなことをはじめました。

わかれわかれになって、林の中の、めだって高い二本の木の根もとに近づくと、てんでに木をのぼっていくのです。

ふたりとも、木のぼりがうまくて、みるみるうちに、上の方のしげみの中へかくれてしまいました。

ふたりは、いったい何をしようというのでしょう?

いっぽう、少年たちにとりかこまれた二十面相は、死にものぐるいに両手をふりまわしてかこみをやぶると、林の中をグルグルと逃げまわりました。