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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《塔上の奇術師/鉄人Q(とうじょうのきじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 151,766 字 · 303 頁

青空文庫

一郎さんは、やっと息がらくにできるようになったのです。

「ぼくは淡谷一郎ですが、あなたはだれです?」

一郎さんが、いぶかしそうにたずねました。

「このまえの事件のとき、明智先生といっしょにおじゃました、少年助手の小林ですよ。」

そういって、懐中電灯をひろって、自分の顔を照らしてみせました。一郎さんはよくおぼえていました。いつか淡谷さんの家に、盗難事件があったとき、明智探偵といっしょにきてくれた、あの少年です。

「アッ、きみは、あのときの小林君!」

「そうですよ。」

「どうしてここへやってきたんです。どうして、ぼくがここにいるとわかったのです?」

「すこしまえに、もうひとりの一郎さんが、おうちへ帰っているのです。それがにせものではないかということを、スミ子ちゃんが気づいたのです。ぼくはきっとそうだと思いました。いつも四十面相は、こういう手をつかうからです。

それでは、ほんとうの一郎さんは、どこにいるのかと考えました。そうすると、いつかこうもり男が屋根の上にいたという、この時計塔のやしきがあやしいと気がつきました。それで、すぐにここへ来てみたのです。この部屋をさがすのに、てまどりましたが、ほかの部屋はかぎがかかってないのに、この部屋だけ、かぎがかかっているので、あやしいとおもって、はりがねをまげた万能かぎで、あのドアを