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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁
ウスノロのマドロスまでが、大はしゃぎでハーモニカを持ち出すと、それがまた一座の人気を呼ぼうというものです。
そこで興がいよいよ亢じて、尽くるということを知りません。
二十七
駒井甚三郎は酒を飲むことをせず、また唄うことも、踊ることも、いずれも興味を持ち得ていないけれども、ただ、衆がたわいなく喜び興ずること、そのことを興なりとして、やがて、自分ひとりこっそりと椰子の葉蔭から海岸の方へと歩みを運んで、上気した頬を海風に嬲らせ、かがやく汀の波に足許を洗わせながら、歩むともなく歩んで行きました。
お松も同じ思いです。皆の楽しむことは嬉しいけれども、茂太郎のように踊ることもできず、白雲のように唸ることもできない。今日は七兵衛入道が、船夫を指揮して万端の座持をしてくれますから、自分が立入って働かなくてもよい。駒井の殿様と同じように、客分のような地位に置かれましたが、やがて、椰子の葉蔭から高く月を仰いで、むらむらと、場外の夜気に打たれてみたくなりますと、地上に楽しむ人も面白いけれども、この大海原の月の夜――何というすばらしいながめでしょう。つい一足二足と歩いて、海岸に出てみます。