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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁
「おお山崎君」
山崎は前夜の通り、無腰のまま地味な藍縞の商人体で平間の前へ無造作に坐り、
「顔の色が悪いようだ」
「うむ、そうか」
「昨夜も、碁で夜明しをやったな」
「うむ」
平間の意気は沈んでいる。山崎が軽く話しかけるほど口が重くなる。
「どうした、おかしいぞ、今日は」
「山崎君、大変が出来した」
「大変とは?」
平間は首を垂れた後、屹と山崎の面を見て、
「山崎君、拙者の頼みを聞いてくれ」
「何だ、改まって」
「一生の頼みじゃ」
「一生の頼み? 真顔で言うだけに気味が悪い」
平間は非常に苦しそうな息をついて、
「俺は腹を切る、友達甲斐に介錯を頼む」
「ナニ、腹を切る?」
「うむ、腹を切る」
「よし、切るだけのことがあれば切れ、介錯もしてやろう、だがその仔細がわからぬ、それを聞いた上で」
「まず、一通り聞いてくれ」
「聞くとも」
「昨夜、井上と碁を打った」
「うむ」
「夜明けまで打って、それから今のさきまで寝た」
「うむ」
「起きて見ると、金がない」
「金が――盗まれたか」
「碁を打つ前にかぞえて納めた小箪笥の中、三百両の不足じゃ」
「怪しからん、詮議をしたか」
「さあ、その詮議がむつかしい。あれからこの室にいたは拙者と井上、これを騒ぎ出せば井上が承知すまい」