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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁

青空文庫

悪者の一人は茄子をころがしたようにのめると、

「この野郎」

馬鹿と見た馬方が意外の腕立て。

十九

与八の力は底知れずですから、悪者どもを手もなく追い払ってしまいました。

それから与八は少年の傍へ寄って来て、

「どうだお前様、あぶねえところだったな」

「おかげで助かりました、お礼を申します」

「お前様一人で来なすったのかえ」

「一人で」

「どこから」

「江戸から……」

「お江戸から……そうしてどこへ行きなさるだ」

「青梅の先まで」

「青梅の先……俺も青梅の方へ行くだ、一緒に行くべえ」

「それでは……」

少年は坐っていたのを、刀を杖に立ち上ろうとしたが、よろよろと足が定まりませぬ。そのはず、今朝江戸を出て来たものとすれば、子供の足で七里の道、足が腫れ上って動けないらしい、そこを悪者どもに脅されたものと見えます。それでも我慢して、痛いとも疲れたともいわず、与八と連れ立って歩こうとする、その痛々しさは与八も気がつかずにはいられなかったので、

「お前様、足が大分草臥れたようだなあ、待てよ……」

与八は馬の背中を見上げて、首を傾げることしばし、

「こうと、荷物はいくらでもねえが、地蔵様を横っちょの方へお廻し申しては勿体ないし――お地蔵様と相乗りというわけにもゆくめえし」