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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,946 字 · 520 頁

青空文庫

ついに群衆は陣屋へ殺到して、勘定方役向を取囲んで口々に歎願を叫んでいる。幕府勘定方役人の生命も刻々危急に瀕している――

というような情状を、関守氏が自分で集めて来たのと、風聞に聞いたのとを差加えて、お雪ちゃんに説明して話の興がようやく酣わになるところへ、そろりそろりと音がして、その場へぬっと道庵先生が寝ぼけ眼で現われて来ました。

それを見ると関守氏も、一時は呆気にとられましたが、お雪ちゃんも、少しきまりが悪い思いをしながら、

「あの、関守さん、この先生は、米友さんの御主人でございまして、お江戸から上方への御旅中なのですが、昨晩、米友さんがお連れ申しました」

「は、さようでござるか、それはそれは」

「わっしぁ、道庵でげす、なにぶんよろしく」

道庵先生が、すっかりすまして、まだ面も洗わないのに炉辺へ納まり込んでしまいました。

ここで、関守氏と道庵先生に話をさせたら、また一市栄えるだろうと思われたが、そこはおたがいにまだ生面のことではあり、さすが話好きの関守氏も、これを機会に御輿を上げて立帰ることになると、お雪ちゃんが、

「では、関守さん、またおひまを見ていらっして下さいまし」