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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

一時のはかない心休めに、いっそ故郷へ帰ってしまおうかと思ってみたが、「自分の身はお尋ねになっている身であった」ということを考え出して、

「そうそう、わたしは盗人という濡衣がまだ乾いていない身であった、古市へ姿を見せれば、直ぐに縄目にかかる身であった、さあ故郷へは帰れない」

今になって、そのことが急に思い出されてきました。

「米友さんはどうしたろう、ムクはどうしたろう、わたしは、やっぱり帰れやしない」

お君は、そこでまた呆然として立ち尽してしまいました。

さまざまに思い乱れつつも、お君は西を指して歩きました。

日がだんだんに昇る。日は昇っても人の通りは尠い秋の野路、それを半日も歩いていると、饑と疲れで足が動かない。何というところか、田舎の外れ、馬子などの休みそうな一ぜん飯屋の隅で辛くも、朝餉と昼飯とを一度に済ませて、それから中泉と聞いて歩いて行きましたが、少したって中泉はと尋ねてみたら、また横道へ入ったと言われて、もう気を落してしまって、それからは足が動かず、ちょうど見つけたのが八幡の森。その森蔭で休もうとすると、小さいながら人一人を容れて余りある祠。